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freeeのバーチャルオンリー株主総会|前編:バーチャル「オンリー」を選ぶ理由

こんにちは!Corporate Governanceチームの岡田です。

自己紹介画像。法務リスク管理部Corporate Governanceチームの岡田。プロフィール 2023年10月、金融機関からfreeeへ転職。辛いものと実家のチワワが好き。株主総会の運営に携わるのは初めて。

今回は、freeeのバーチャルオンリー株主総会(VO総会)について共有します!

本noteを読むと分かること
本noteでは、前編・後編を通して、freeeが考えるバーチャルオンリー株主総会の利点や、バーチャルオンリー株主総会を運営する際の具体的な運営体制についてお伝えします!前編ではまず、バーチャルオンリー株主総会を選択した背景についてお伝えします。
✅freeeはなぜバーチャルオンリー株主総会を選択したのか?(前編)
✅freeeが考えるバーチャルオンリーの利点とは何か?(前編)

✅当日の運営体制(後編)
✅スムーズな運営を実現するための工夫(後編)


freee株主総会のこれまで

2020年、freeeは上場後はじめての株主総会をリアルとバーチャルでハイブリッド開催しました。その後、2021年は、コロナ禍の法改正で「バーチャルオンリー」な株主総会が解禁され、freeeでも国内で3例目となるVO総会を開催しました。

その翌年はVO総会に関する定款の一部変更を行うためにリアル開催が必要だったことや、新オフィスお披露目の意味もありハイブリッド型で行いましたが、2023年から再度VO総会の形に戻しました。

開催形態は大きく3種類

そんなfreeeが2024年もVO総会を選んだ背景をご説明する前に、まず、株主総会の各開催形態について、かんたんにご説明します。

①リアル開催

その名の通り、物理的な会場を用意して株主さまをお呼びする総会。

②ハイブリッド型

物理的な会場を用意しつつ、バーチャル配信も行う総会。
「出席型」と「参加型」がある。

ハイブリッド「出席」型
バーチャルで出席した株主さまも議決権行使や質問が可能。

ハイブリッド「参加」型
バーチャルで参加した株主さまは審議の様子を閲覧・確認することが可能。原則として議決権行使や質問はできない*。
*配信画面でコメント等を受け付ける企業もあります。

↓freeeが2022年に実施したハイブリッド「参加」型の総会の記事。

③バーチャルオンリー型(VO総会)

バーチャルのみで開催する総会。リアル会場の用意は無い。出席した株主さまは、議決権行使や質問が可能。

バーチャルで開催すると何がいいの?

株主総会をバーチャルで開催するメリットについてfreeeでは以下のように考えています。

①より多くの株主さまと対話できる

バーチャル開催の最大メリットは、なんといっても「より多くの方のご出席が可能となること」です。
今回のfreeeの株主総会においても、北海道や関西、四国など、全国にお住まいの株主さまが出席してくださいました。バーチャル開催によって、より多くの株主さまに「経営陣に直接質問し、回答を得る」という権利を行使いただきたいと考えています。

②freeeのミッションとの親和性

freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに掲げ、バックオフィスのIT化を推進する立場です。加えて、freeeのカルチャ―の根幹である「マジ価値指針」には「社会の進化を担う責任感」というものがあります。これは、社会全体を前に推し進めるべく、本質的であればあえてリスクを取って挑戦していくというものです。

freeeのマジ価値2原則とマジ価値指針について説明した画像。社会の進化を担う責任感については、地球を背負う男の人のイラストが描かれており、「社会全体を前に推し進めるべく、社会に信頼される存在であると同時に、本質的であればあえてリスクを取って挑戦していく。」と説明されている。
freeeの「マジ価値2原則」と「マジ価値指針」

freee自身が積極的に新たな制度を活用し業務をデジタル化することは、こうしたfreeeのミッションや価値観と合致しており、対外的にもプラスのアピールになると考えています。

③世界観の表現

freeeでは、株主さまがfreeeのカルチャーに触れ、共感いただくことで、末長く応援いただけると考えています。

今回の総会では、freeeが開催した国内最大級のバックオフィスの祭典「freee TOGO World 2024」で使用したビジュアルをもとに、「freeeらしさ」を存分に表現した配信背景を社内の技術チームが制作してくれました。

3D背景のイメージ画像。3人の人物の後ろに、sweeeちゃんや気球、色とりどりの風船などが飛んでいる空が描かれている。
統合体験が実現された世界(TOGO World)をイメージした背景

こうしたバーチャルならではの自由な表現も、オンライン開催の魅力だと考えています。

実際にどのように合成されたかはぜひ動画をご覧ください。

バーチャル「オンリー」である意味

ここまでお読みいただくと、「バーチャルとリアル両方の利点が享受できるハイブリッド出席型がいいのでは?」と思われるかもしれません。

ここからは、freeeが考えるバーチャル「オンリー」であることの意味について説明します。

①全ての株主さまと平等に対話ができる

ハイブリッド開催の場合、どうしても「リアルで参加する株主さま」と「バーチャルで参加する株主さま」の体験に差が出ます

総会の運営もリアルでご参加の株主さま中心になり、バーチャルで参加する株主さまはどうしても「配信を見ている」という感覚になりがちです。

バーチャル「オンリー」とすることで、そうした感覚の差異がなくなり、全ての株主さまが同じ条件で株主総会に参加できる点は、大きなメリットであると考えています。

②会社のフェーズを考えたときの最適解

freeeでは、2025年6月期の目標に「黒字化*」を掲げています。そして、これは、今年の株主総会の質疑応答にもあったように、株主さまにとっても最も関心の高い事項のひとつであると認識しています。
*上場来初の調整後営業利益の黒字化

今回、ハイブリッド型ももちろん検討しましたが、このように会社が大きく成長していこうというフェーズにおいては、「リアル」と「バーチャル」で二重のリソースをかけないという判断を、株主さまにもご理解いただけるのではないかと考えました。

【リアル開催とバーチャル開催における必要なリソース・準備の例】
リアル会場
会場内外での案内や受付等、多くの人的リソース
・取締役や当日スタッフとの長時間のリハーサル(会場動線の確認等)
・予想される来場者数に応じた会場の準備

バーチャル開催(出席型)
・法的に株主さまが出席可能であることが担保された配信システムの利用
通信障害マニュアルの作成
バックアップ回線の準備

その上で、「リアル開催」と「バーチャル開催」で比較すると、やはり「より多くの株主さまが対話に参加できるバーチャル開催のほうがよいのではないか」と考え、今年もバーチャル「オンリー」株主総会を継続することとしました。

後編もおたのしみに!

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。少しでもこの記事をお楽しみいただけたら、ぜひ「スキ❤」押していただけると嬉しいです!

なお、初めてVO総会を実施する際は、経済産業大臣および法務大臣の確認や定款変更等が必要です。このあたりについては、冒頭でも紹介した記事に詳しく記載しているので、ぜひご覧ください!

※開催背景や制度等は現在と異なる部分があります。なお、経済産業⼤⾂および法務⼤⾂の確認を受けた上場会社について定款の定めがあるものとみなすことができる特例措置は2023年6⽉16⽇をもって終了しています。

後編では、今年の具体的な運営体制についてお伝えしていますのでぜひあわせてお読みください!↓