見出し画像

Happy Workers! フルリモート×障害者雇用で叶える多様性のカタチ

こんにちは!freeeデータ化チームのyurisanです。
この記事は、freee DEI アドベントカレンダー「私とDEI」11日目の記事です。

freeeでは障害者雇用のことをユニバーサル雇用と呼称しています。ユニバーサル雇用という名前には「普遍的な」「例外なくだれでも」といった意味があり、freeeの障害者雇用はまさにそういった姿勢で取り組んでいます。それぞれの個性を活かしながら、その人らしくマジ価値を一緒に追求できる人をfreeeでは求めています。
※マジ価値とは、本質的(マジ)で価値あること。ユーザーにとって本質的な価値あると自信を持って言えることをする。

ユニバーサルメンバーのマネージャーとして、フルリモートの障害者雇用メンバーと働き始めて2年が経ちました。当初は手探り状態での船出でしたが、日々の小さな工夫と、メンバーとの対話を重ねることで、少しずつチームの形が見えてきました。今回は、私の試行錯誤から見えてきたDEIの実践についてお話しようと思います。

「DEIって何?」
🌈 Diversity(多様性):個性っていいじゃん!
✨ Equity(公平性):みんなに合った支援を!
🤝 Inclusion(包摂):互いを受け入れ、共に成長する!

■ゼロからのスタート

2022年11月から始まった私の挑戦ですが、最初に悩んだのはコミュニケーションの取り方でした。DSTでは全国に住むメンバーがフルリモートで勤務しています。(DSTとはData Supplement Teamの略で、紙の領収書をデジタルデータにするデータ化の業務を担っている部署です。詳しくはコチラの記事をご覧ください。)対面せずにどうやってメンバーの状況を把握し、適切なサポートを提供できるか。そこで私が初めに導入したのが「日次作業表(以下日報とする)」です。
日報には、その日の業務内容や作業件数だけでなく、難しかったポイントや工夫したこと、体調や睡眠状況なども自由に記入してもらっています。私も必ずその日のうちに目を通して、ちょっとした感想やアドバイスをコメントするようにしました。

日報の画面キャプチャが書かれている。7月の一週間の画像。項目はフィジカル、メンタル、睡眠状況、本日の目標、目標を入力、月間目標、「気づいたこと」「疑問点」「課題」「工夫」、サポートからのコメント、という欄が設けられており、それぞれの項目が記入されている
ある日のメンバーの日報の一部

この取り組みは、想像以上の効果をもたらしました。メンバーの日々の様子が可視化され、些細な変化にも気づけるようになりました。また、気軽に相談できる関係性が築け、業務改善のヒントも得られるようになったのです。

■チームの拡大とともに

最初はユニバーサルメンバー2名からのスタートでしたが、気がつけば24名の大所帯となりました。そしてチームの仲間が増えていくにつれて、日報だけではカバーしきれない部分も出てきました。そこで、新しい取り組みをいくつか始めることに。例えば、判断に迷う事例をみんなで話し合う「あいまい事例共有会」や、メンバー同士の頑張りを褒め合う「WinSession」を実施しました。
画面越しでも「チームの一員」という気持ちを育めるよう、みんなで知恵を出し合えたり称賛しあえる場を大切にしています。

特に力を入れたのが、メンバー一人ひとりへのサポート体制です。専任のサポートメンバーを増やしたり、データ化チームの他のメンバーにもフォローをお願いしたりと、一人では気づけない視点や、行き届かないケアも、チームみんなで支え合うことで、より細やかなサポートができるようになってきました。
そしてデータ化業務の繁忙期においても、多様な背景を持つメンバーがリモート環境で互いをサポートし合い、優れたチーム連携を実現できました。密なコミュニケーションと迅速な情報共有により、個々の違いを活かしながら円滑な業務遂行を達成。この成功体験は、多様性を受け入れたインクルーシブなチーム運営の可能性を示してくれました。チームの様子をうちのメンバーが話してくれた記事があります。ぜひご覧ください。

■データ化業務ならではの特徴を活かして

データ化業務には、「ルールベースの判断」「オーダーの分割」「個人のペースでの作業」という特徴があります。これらを活かし、メンバー一人ひとりの適性やスキルに合わせた業務アサインを実現しています。また、進捗状況が数値として可視化されやすいため、達成感や得意・不得意分野をサポートメンバーと共有しやすい環境となっています。
チームの立ち上げ当初は、障害者雇用に関する知識や経験が不足していたことから、メンバー一人ひとりの特性を十分に理解できていませんでした。そのため、適切な指示出しができなかったり、サポート体制が未熟だったことで、一部のメンバーに戸惑いや混乱を生じさせてしまう場面がありました。しかし、専門家との連携や研修を重ね、また日々の業務を通じて経験を積み重ねることで、現在では各メンバーの特性に応じた適切なサポート体制を確立できていると思います。
さらに、フルリモートという働き方により、メンバーは通勤のストレスから解放され、周囲を気にすることなく業務に集中できます。また、自分のペースで休憩を取れることで、高い生産性を維持することができています。これらのことから結果的に、離職率の低下にも繋がっています。

■現在の課題と展望

現在は、メンバーのキャリアパス構築やスキル向上の機会提供に取り組んでいます。業務でのスキルアップはもちろんですが、立場や主張が異なるメンバーとも円滑にコミュニケーションを取り、同じ目標に向かって仕事を進めることができるようなマインドを持ってもらえるように導くためにはどんな事に取り組めばいいのか、まだまだ課題はあります。また、チーム間の交流促進も課題の一つです。解消するためにオンラインでのランチ会を開催していますが、任意参加としているので全員が参加するわけではありません。個々が求めるコミュニケーションに合わせ、様々な施策を考える必要があります。
今後はデータ化だけにとどまらずフリー全体を見据えた業務範囲の拡大や、チームを牽引できるリーダーの育成にも力を入れていきたいと考えています。そして、私たちの取り組みで得られたノウハウを、社内の他部署とも共有していければと思います。

■DEI実践のポイント

この2年間で学んだことは、DEIは特別なことではないということです。大切なのは、コミュニケーションの個別最適化・インクルーシブな(安心できる)環境づくり・成長機会の提供と公平な評価  この3つを地道に続けることです。
そして何より、完璧を目指すのではなく、できることから一つずつ取り組んでいく姿勢が重要だと感じています。メンバーとの対話を大切に、これからもより良い職場づくりを続けていきたいと思います。