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freee会計の業務フローをスムーズに!新メニュー(β)リリースの裏側!

この度、2024年10月17日に、freee会計の新メニュー(β)をリリースしました!

主な改善点と、その裏にあった課題をお伝えします。

デザイン変更に合わせ、メニュー構成の変更も決断

きっかけは、freeeのメニューデザイン共通化プロジェクトがはじまったことでした。

[freee各種プロダクトのメニューバーデザインを共通化 freeeの目指す統合体験を提供」というタイトルに新しいUI画面のモックアップの画像がある。

これは、freeeに新たな製品(プロダクト)がどんどん生まれる中で、複数のプロダクトを使ってくださる方々が、それらをよりスムーズに使えるようにすることを目的に検討が始まったものです。また、メニューバーを縦向きに統一することで、画面の縦幅を広げ、多くの明細行を表示できるようにすることなどの体験改善も狙っていました。

もともと、freee会計のメニューバーは11年前のリリース当初の構成を大きく変更しないまま拡張を続けており、多くのユーザー様から「機能をどのように使い分ければいいかわからない」「他の会計ソフトから移行しづらい」といったお声をいただいていました。

今まで実現には至っていなかったものの社内でもメニュー構成のリニューアルが企画されていることもありました。

そのため、今回の機会にデザインだけでなくメニュー構成も変更するか、再度検討することになりました。


リニューアル前のメニューバーの画像。freee会計のロゴの下に、左から各メニューが並んでいる。
リニューアル前のメニューバー

改めて調査したところ、例えば新たにfreee会計を導入をしたばかりのユーザー様へのアンケート結果で、利用がスムーズに進まない要因としてメニュー構成が上位であることがわかりました。

また、国内外の類似製品の調査や、社内のカスタマーサポート、カスタマーサクセス担当者へのヒアリングなどをもとに様々なメニュー案を作成しました。

会計プロダクトのメニューのプロトタイプ画像。会計プロダクトのメニューのプロトタイプ画像・左側にメニューが並んでいるが、上から「取引」から始まり「レポート」「決算・申告」...と続いている。
実際に利用したプロトタイプその1
会計プロダクトのメニューのプロトタイプ画像・左側にメニューが並んでいるが、上から「記帳」から始まり「帳簿確認」「会計レポート」...と続いている。
実際に利用した様々なプロトタイプその2
メニューのカテゴリ分けの案が並んでいる画像
実際に利用した様々なプロトタイプその3

元のメニュー構成のままデザインのみ変更したものも含め、50名以上のfreeeユーザー様やfreeeを使っていない個人事業主、中小企業、税理士さんにインタビューやテストを行った結果、多くの方が新しいメニュー案を選ぶ、という結果が出ました。

そういった調査を踏まえ議論を重ねた結果、今後多くのユーザー様や会計事務所の方々に使ってもらえるプロダクトになるためにメニューデザインだけでなく構成も変更させていただくことを決めました。

改善点:業務の流れに沿ったメニューへ

以前のfreee会計メニューバーの状態で、例えばこんな月次業務を行うとします。(※単純化している点はご了承ください)

<業務例>
①請求書を発行し、売掛金を登録
②入金明細を確認し前月の売掛金を消し込む
③入金モレがないか入金管理レポートで確認
④ファイルボックスで請求書や領収書から費用を登録
⑤支払処理支払管理レポートで確認
⑥月次処理のため振替伝票を入力
⑦試算表を確認
⑧月締め

そのときにする操作の工程はこんな感じ。

業務の流れに沿って、メニューを選択する推移の説明画像。画面を行ったり来たりしなければならない様子がわかる。

なんと、こんなに画面・操作を行ったり来たりしなくてはなりません。

そこで、今回のリニューアルでは、第一階層を「受発注処理などの経理業務→記帳などの会計業務」という業務の流れに沿ったものにすることにより、必要機能の探しやすさを向上しました!

先ほどと同じ業務を新しいメニューで行うとこんな感じ。

新しいメニューバーが、業務の流れに沿って使えることを画像で示している。

メニューを遡るような行ったり来たりがなくなり、スムーズに使えるようになりました。
また、各機能がどの業務シーンで使うものかがわかりやすくなりました。

仕訳をどんな時どのメニューから入力したらいいかわからない、という声の多かった「取引」メニューは新たに「取引入力」というメニュー名で、入力方法ごとに使用用途が明確になるよう再分類しました。


以前の取引タブのUI画面。取引入力の中に自動で経理、取引の一覧・登録など取引登録に関わる選択メニューが並んでいる
Before:以前のメニュー画面
新しいUI画面。上から自動で経理、ファイルボックス、収入・支出形式...と並んでいる。
After:新しいメニュー画面

そして、今回のリニューアルによって、「貸借対照表」にもすぐアクセスできるようになり、貸借対照表を固める→損益計算書を確認する。という一般的な会計業務の流れがスムーズに行えるようになりました!

ユーザー様からも嬉しい声をいただいてます。

バックオフィスの様々な業務が一貫した体験に

「従業員ポータル」機能の説明モックアップ画面。この機能により必要な業務と情報にスムーズにアクセスと表記。
メニューバーデザインを共通化 従業員ポータル機能の提供を予定のお知らせ

前述の通り、今回freee会計だけでなく、freee人事労務やfreee請求書といったfreeeの様々なプロダクトのメニューバーがリニューアルされ、デザインが統合されました。(その他のプロダクトも順次リニューアル予定です)

さらに、従業員向けに必要なメニューや情報だけを表示する新サービス「従業員ポータル」の提供を開始するなど、バックオフィスの様々な業務を横断的に行う体験がよりスムーズに進化しました。

※ほかにも新デザインでは、メニューバーを折りたたむことで業務画面を以前より広く表示できる、未完了のタスクがメニューバー上に表示できるといった進化点もあります。


freee会計 新メニュー(β)のお試し方法

freee会計の画面上部に表示されている「お試しを始める」をクリックいただくと、新画面に切り替えできます。
また、前のメニュー画面に戻りたい場合でも「お試しをやめる」をクリックいただくと現行画面に戻すことが可能ですので、気軽にお試しください!

前のメニュー画面と新しい画面がポップアップによって切り替えられる画面スクショ

切り替えはボタンをクリックいただいたメンバーのアカウントのみに反映されます。
※事業所に招待されている全メンバーの画面が切り替わるわけではありません。

β版期間中にもメニューを改善中

2024年10月にβ版をリリースし始めて、既にたくさんのユーザー様から要望をいただいています。本当にありがとうございます。
すべてのご要望ににお答えできているわけではありませんが、いくつかの改善を実施・予定しており、ご紹介します。

<変更点>
・口座、取引先などのよく使う設定画面にすぐにアクセスできるように、メニューに「マスタ・口座」を追加
・取引テンプレートや自動登録ルールなど、よく使うテンプレートを扱う「入力効率化」メニューを追加。同時に、「取引入力」内のメニューをスリムに
・メニューのグループを識別できるようにメニュー全体の区切り線を追加

freee会計の左に並ぶメニュー画面。アイコンと項目一覧が並んでいる。
変更イメージ ※「入力効率化」のアイコンは作成中


今後もフィードバックをもとに改善を続けていきますのでご期待ください。

さいごに

フリー社は、マジ価値*をメッセージングに落とし込んで、しっかりとお客様に伝え、心を動かすことができる組織でありたいという思いから、新しいプロダクトのリリースに関するデモンストレーションの力を競うコンテスト、その名もD-1グランプリを開催しています。

*マジ価値とは
短期的な視点に留まらず、中長期的に考えた時に本当にユーザー様にとって、社会にとって価値があると思えることをするというフリー社の行動指針です。

フリー社のカルチャー

こちらの記事は、10月に開催されたD-1グランプリの優勝・MVD(Most Valuable Demo)に輝いた取り組み・デモを元に執筆しています!

代表 佐々木からトロフィーを受け取るD-1グランプリ優勝・MVDの受賞者のfreee会計PdM 川井

freee会計PdM・川井からのメッセージ
様々な関係者の代表としてデモさせていただきました。優勝できてうれしいです。
私自身もメニュー案作りに関わって40人以上の方にメニュー案のテストやインタビューをさせていただきましたし、社内全体だとおそらく構想開始から3年近く経っている中で100人以上の方にインタビューをしていると思います。
まだβ版という形ではありますがリリースできたこと、個人的にもそれに関われたことはとてもうれしいです。
とはいえ、多くのユーザー様にとっては慣れ親しんだ業務のやり方を大きく変えることになる非常に影響の大きい変更になることも認識しています。本リリースに向けて関係者一同、ユーザー様と対話しつつ進めて行きたいと思います。
これからもfreeeは、マジ価値を届け続け、ミッション「スモールビジネスを、世界の主役
に。」を実現するため、検証を繰り返しユーザー様の声をお聞きし、プロダクト・サービスの改善を進めていきます。


freee公式noteでは、今回のようなfreee開発の裏側や、プロダクトの活用術も発信しています。

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