今回は、多くの飲食店で導入され始めている「サブスクリプションサービス」をビジネスメガネでのぞいてみましょう！
サブスクリプションサービス（以下、サブスク）とは、定額制でお客様にサービスを提供する新しいビジネスモデルのこと。安定した収益を得られると同時に、リピーターの獲得にもつながります。

サブスクのメリット①売上の安定化

飲食店経営者にとって、売上を安定させることは永遠の課題ではないでしょうか。サブスクを導入すると、毎月の定額料金を収入のベースラインとして確保できるので、天候やイベントによって売上が左右されにくくなります。ひとつ安定した収益基盤を持てると、経営の不安が軽くなり、長期的な成長にもつながっていきます。

サブスクのメリット②リピーター、お店への愛着心

サブスクを導入することで、リピーターを増やしながらお店への愛着心も増やしてもらうことができます。お客様は、定額で利用できることで「おトク感」を感じて頻繁に来店してくれるようになるでしょう。また、サブスク会員限定の特典や割引を提供することで「特別なおもてなし」を感じてもらうと、お店への愛着心がわいて「好きなお店だし、また行こうかな」と利用してもらいやすくなります。お客様と長くて濃い関係性を築くことにも、サブスクはひと役買ってくれるのです。

飲食店のサブスクサービス 設計のポイント

サブスクを導入する際には、メニューや価格設定、プロモーションの設計が成功のカギを握ります。

サブスクメニューの設定方法と価格戦略

サブスクメニューの設定では、まずはお客様が「おトクだ」と感じるプランでありつつ、店舗にとっても利益を確保できるバランスをとることが重要です。価格設定は、現実的な利用頻度を踏まえた上で、お客様が継続して利用したいと感じるであろう金額に設定しましょう。また、一種類ではなくいくつかのプランを用意すると、いろいろなお客様の来店パターンやニーズに対応して、幅広い層にサブスクを提供することができるでしょう。

サブスクの効果的なプロモーション方法

サブスクの成功には、顧客データを活用したプロモーションが欠かせません。これまでの売上データからお客様の利用履歴や好みを分析して、選ばれやすそうなプランを何種類か作ってサブスクとして提案すると、「これは自分に合いそうなプランだ」と多くの顧客に思ってもらうことができるでしょう。SNSやメールで新規顧客向けの限定キャンペーンなどを打ち出すのも良いですね。データに基づいた効果的なマーケティングが、サブスクの持続的な成長を支えてくれるのです。

サブスクを続けてもらう工夫

サブスクを長く続けてもらうためには、定期的に新しい価値を届けることが大切です。季節ごとに新しいメニューを加えたり、会員限定のイベントを開催したりすることで、お客様は常に新鮮な気持ちで来店できます。また、定期的にお客様から感想やリクエストをもらい、それに基づいてメニューやサービス内容を改善することで満足度を高めて、サブスクの継続につなげましょう。

サブスク導入には、いくつかの注意点があります。特に、コスト管理やリスクの考慮をしておかないと、逆に店舗の負担になってしまうことも。契約条件の明確化やキャンセルポリシーを事前に設定しておくことも重要です。

サブスク導入時のコスト管理とリスクヘッジ

サブスクの導入にあたって、まずは提供するサービスのコストが店舗の収益を圧迫しないように、細心の注意を払いましょう。定額制のため、利用頻度が予想を超えると利益が減ってしまうリスクがあります。サブスクの利用者数やサービスの内容をしっかりと事前に計画してスタートするのはもちろん、必要に応じて内容を見直すことが大切です。また、予想が外れた場合のリスクヘッジとして、予備の対策を考えておくことも賢明です。

サブスクの契約条件とキャンセルポリシーの明確化

顧客とのトラブルを防ぐためにも、サブスクの契約条件やキャンセルポリシーは明確にしておきましょう。サービスの利用範囲や支払いのタイミング、キャンセルの条件などを事前に説明し、透明性を確保することで、お客様の信頼を得ることができます。契約内容はシンプルでわかりやすく、お客様が理解しやすい告知方法をとることで、トラブルを未然に防ぎましょう。

サブスクで飲食店の顧客体験を向上させる方法

飲食店でサブスクを成功させるためには、なんといっても毎回の顧客体験をいいものにすることが不可欠です。特別なイベントや新しいメニューなど、「普段と違う今日」を提供することで一回あたりのお客様の満足度を高めていくと、お客様とお店のお付き合いを長くしていくことができます。

サブスク限定メニューで特別感を提供する

サブスク会員にだけ提供する限定メニューは、サブスク会員のお客様に「特別感」を提供するのに効果的なやり方です。例えば、月替わりの特別メニューや通常メニューにないオリジナル料理をサブスク限定で用意することで、会員は「サブスク会員になることでしか味わえない体験」を楽しめます。こうした特別な体験は非日常として印象に残りやすいので、また次も続けようと思う動機づけになります。

サブスク会員向けの特典とイベントで顧客を飽きさせない工夫

サブスクを長期的に成功させるためには、飽きさせない工夫も必要です。例えば、会員限定の特典やイベントを定期的に提供することで、お客様に「次の新しい楽しみ」をいつも期待してもらうことができます。旬の素材に合わせたイベントや会員限定の割引、新メニューの試食会などを通じて顧客とのつながりを強化し、飽きることなくサブスクを続けてもらうことが可能です。顧客の期待を超えて「今度はなんだろう？」と思ってもらえる体験を提供することで、お店への愛着心を向上させましょう。

まとめ

いかがでしたか？飲食店でサブスクを導入すると、売上の安定化やリピーターの獲得、お店への愛着度の向上につなげることができます。利益を圧迫しないメニュー設計やリスクを抑えるための契約条件の明示など、事前に考えておく必要があるポイントもご紹介してきました。とはいえ、何よりも「お客様に、何度も楽しんで来店してもらえること」を大切に、お客様もお店も笑顔になるサブスクを提供できるといいですね！