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通勤手当の実費支給対応がゼロになった、労務体験談

リモートワークに、ハイブリッドワーク…労務泣かせの働き方変容ですが、人事労務プロダクトをつくっているfreeeでやっている通勤手当の実費支給のお話をします。

freeeは「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに、個人事業主も法人も、だれもが自由に経営をするための統合型経営プラットフォームを志し、「freee会計」や「freee人事労務」などバックオフィス業務を改善するソフトウェアを提供し、サポートするSaaS企業です。このマガジンでは、日本で一番freeeを使いこなしているフリー株式会社(以下、freee)の労務担当者のリアルな事例をご紹介します。「初期設定はできたけどまだ使いこなせてないなぁ」「基本は使えているけどまだ知らない便利機能がありそう!」と思っているユーザーさんへ、ちょっとためになる活用のヒントが見つかると嬉しいです。

こんにちは。フリー株式会社で労務を担当しているofukuです。
コロナ禍を経て、柔軟性を持ち色々な方針で働く会社が増えていると感じる一方で、労務担当の皆さんはどうやって通勤手当をお支払いしているのかと気になっています。定期代回収ではなく柔軟な働き方に合わせた、リモート/出社のハイブリッドな通勤手当の回収について、課題感を持たれている方もいるかと思います。
今回は、freeeでやっている通勤手当の実費支給方法と勤怠タグの機能についてお話します。


◆リモートワークから週3出社へ。カスタム項目を活用した実費通勤手当の支給スタート。

freeeではコロナ禍を経て、週5リモートだった状態から「一緒に出社する」ことを目指して2023年9月に出社頻度を増やし始め、原則週3出社とし、リモートと出社のハイブリッドな出社形態になりました。

オフィスに出社している画像

通勤手当については、出社頻度に応じて定期代支給と実費精算で対応することにしましたが、管理のうえで2つの大きな課題が出てきました。

①実費支給対象者の管理方法

出社頻度・所属組織・雇用契約の内容に応じて対象者を整理し、通勤手当の変更申請を依頼、1日の実費交通費を申請してもらって支給をスタート。
ただ、入社や異動、契約変更による対象者の追加/削除があり、対象者の管理はとても煩雑で苦労していました。申請漏れも多く発生し、申請する従業員も管理する労務も慣れるまでが大変でした。

②実態に合わせた実費精算(出社日数×実費)の回収方法

freee人事労務上にある従業員情報のカスタム項目を本人が入力できる欄を用意。給与計算までの期間は従業員が出社日を登録できるように権限を開放し、締め切り後は従業員からの修正ができない状態へ手動で切り替えます。

通勤手当を入力できる申請の項目
freee人事労務上のカスタム項目(従業員から直接編集可能)

申請フローに大きな問題はなかったのですが、どうしても従業員からの入力忘れが多く遡及が発生していました。また、申請にはどうしてもイレギュラーがつきものですが、遡及や転居者の対応のために、同じ項目のコピーを用意してイレギュラーな申請が可能なフィールドも用意していました。


そんな中、突然、一気に光が差し込みます。

◆大変革。勤怠タグのリリースで給与計算が一気に楽に!

実費通勤手当の回収を激的に効率化してくれたのが、2024年8月にリリースされた「勤怠タグ」の機能です。

「勤怠タグ」というのは、予め設定されたタグを勤怠画面から従業員が付与することで、自動的に労務が状態を把握できるシステムです。
例えば、freeeで利用している勤怠タグ(通勤手当支給対象日を把握)はこのように打刻画面で設定されます。

打刻画面に勤怠タグを付与する手順
パソコンだけでなく携帯アプリからも対応可能

実費精算の対象の従業員には、事前に1日あたりの交通費を申請してもらい、勤怠タグが使えるように設定します。
打刻時に勤怠タグが付与されると、通勤手当が自動で計算されます。

通勤手当申請画面、勤怠タグの設定

今まで、カスタム項目で集計し、その結果を明細上に反映・確認する手作業でしたが、「勤怠タグ」機能のリリースによって、自動計算された通勤費が課税/非課税交通費に自動反映され、確認時間はゼロになりました!通勤手当の上限値も設定できるので、規程に合わせて運用することが可能です。
労務担当者は、申請を確認することなく従業員からの勤怠タグによる申請を元に交通費が自動で集計できるようになるので、(手前味噌ながら)とても便利な機能です。

◆勤怠タグの活用と今後の展望


勤怠タグが便利すぎたので、この記事の執筆にあたり、元々フリー株式会社の労務担当で、現在はfreee人事労務のプロダクトマネージャーをされているmiyaさんに開発への想いと今後の展望についてインタビューしてきました。



(ofuku)miyaさん、勤怠タグめっちゃ使いやすいです。通勤手当の集計が楽になりました〜。ありがとうございます!!!
でも、そもそも勤怠タグの開発って、どうして始まったんですか?

(miya)そうですね…「多種多様な勤怠項目を整理したい」という労務担当者のペインに着目して始められた感じですね。例えば、リモート/出勤の管理、業務内容の管理、直行直帰の管理、他店舗へのヘルプの管理など、その用途は様々です。
freeeでは発生しないですが「産婦人科で助産師が子どもを取り上げた数で手当がつく」という医療現場での活用事例や、「お弁当を食べた回数で控除金額を入れたい」といった事例も勤怠タグを入れることで集計できるようになります。

(ofuku)へぇ〜!世の中にはいろいろな面白い手当があるんですね。

(miya)そうなんですよ。 freeeユーザーには様々なスモールビジネスのお客様がいらっしゃいますからね。開発時には「回数をカウントするのではなく、その回数を何に使いたいのか」という労務担当の悩みを解消したい、と強く想っていました。

(ofuku)そういう、痒いところに手が届くような開発目線、とってもいいですね。労務担当としては嬉しいです!

(miya)ありがとうございます。いまのところ、勤怠タグが自動で金額集計されるのは「通勤手当」の項目になるけれど、今後の開発の展望としては、もっといろいろな可能性を秘めてるんですよ。開発段階では、アウトカム(課題解決をしたことによる価値)を大切にして、ユーザーに対して良い体験になるように心がけています。

(ofuku)なるほど。今後どんな機能に勤怠タグを活かしていきたいか、活用方法など考えられているんですか?

(miya)例えば「手当・控除への反映」とかですね。先ほどの事例のケースなど、いろいろな場面で勤怠タグを利用していただき、活用の幅を広げていきたいなと思っています。まだまだ開発途中ではあるので、リリース情報を待ってもらえればと思いますが、期待してもらえたら!


勤怠タグについては、今後もどんどん機能をアップデートして、freeeをお使いのユーザー様にも活用していただけそうな気がしています!
私も労務担当として、この機能をどんどんhackしていけたらと思っています。ぜひユーザーの皆さんの活用方法をお伺いしてみたいです。

スモールビジネスを、世界の主役に。

[ご契約中のお客様]
今回ご紹介させていただいた勤怠タグ機能の詳細は、以下のリンクよりご覧ください。

[これからご検討されるお客様]
freee人事労務について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください!

いかがだったでしょうか?
今回の記事が、freeeを利用されている皆様へ、少しでも開発されている機能の活用方法がお届けできていたら幸いです。
この連載では、freeeのプロダクトを実際に利用しているユーザーさんの中で最近話題のトピックをまとめて発信していきます。
「こんな話題も扱ってほしい!」「この機能ってfreeeではどう活用しているの?」などご意見がございましたら、こちらのフォームまでお気軽にご連絡ください。

(前回の記事はこちら)

次回は [年末調整の裏話] について公開予定です。お楽しみに!