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透明書店店長遠井の透明日報 | 1月編(後半)
スモールビジネスを深く知るため、「透明書店」をつくったfreee。店名の「透明」が示すのは、“ありのままの情報をオープンにしていく”という決意です。
毎月の出来事をお金まわりと共に詳しく紹介した「お金まわり公開記」は最終回となりましたが、これからも透明であるために、店長遠井が記録する業務日誌をリアルにお届け! 日々の小さなお金の動きやエピソードを発信します。
1月16日 木曜日
天気:くもり
売上:¥12,897(15件、イベントドリンク含む)※イベント売上:¥33,550(会場7名、オンライン8名)
常連の方がひさしぶりに来店。梶井基次郎『檸檬・冬の日』を透明の棚に置いていることへの同意を得て安堵する。国木田独歩の詩や『欺かざるの記』がいまは単体で読めないという話にもなった。どこか出版社さんが復刊してくれないだろうか。
棚主の方来店、本を補充。その中の『15人で交換日記をつけてみた』はphaさんがファシリテーターを務めた本。今日のイベント登壇者の伊藤洋志さんもphaさんと共著で『フルサトをつくる』を出しており、phaさんの存在感をしずかに実感する。
イベントは小葉松さんも伊藤さんもリラックスして話してくださり、様々な農家さんといっしょに仕事をできる力の一端を見た気がした。
1月17日 金曜日
天気:晴れ
売上:¥48,161(29件、棚主さんイベント参加料:ドリンク含む)
棚主の方来店、本を設置。その方の知り合いの建築関係の方からの情報で、浅草近辺は来年まで民泊の施設が増える流れだと伺う。外国人観光客・街歩き系の方が不意に手に取りたくなるような本・立ち寄りたくなるような店づくりがますます重要だと感じた。
月1回くらいいらしているというお客さまと話す。『日本最古の旅行記を27人で分けて読んでみた』をご購入、こういう本はどうやって見つけるのかと尋ねられ、SNSや文フリの情報、また作者さんからの案内などいろいろあると伝える。透明書店は普段足を運ぶチェーン書店と違う品揃えが見られるのがおもしろいとのこと。
棚主さんのニューイヤーパーティ開催。5名参加。みなさんそれぞれの棚のコンセプトやビジョンについて伺えて楽しい会だった。来月以降もイベントを開催予定。
1月18日 土曜日
天気:晴れ
売上:¥88,191(36件、うち1件貸し棚更新)
70名ほどの来店。買う方が普段より多め。
任意の金額で会計:るきさん(価格変更・在庫数修正済み)※1冊旧価格のものがまだ残っている
1月19日 日曜日
天気:晴れ
売上:¥31,658(14件)
来店者数は60名弱。滞在時間が20~30分以上の方も多かったが、購入率はかなり低い一日、、売れる可能性の高いタイトルの在庫数が足りていないのか?と思いつつ、昨日は昨日で久しぶりに売れたものも半分近くあったし、人気本コーナーやリトルプレスが大きく売り切れているわけでもないので、客層が異なったのか、、
レジカウンター前部に、シェア棚への案内として「貸し本棚」と大きく書いていたが、それを見たお客さまが何か少し言った後にシェア棚を一瞥して離れたので、もしやと思って「貸し本棚と書いてあるので、そこの本は買えないと思いましたか」と聞いたらその通りだと仰った(展示しているだけかと思った、的なことも仰った)。「シェア棚」という言葉や概念が本好きの方以外には知られていない気がして「貸し本棚」と書いていたが、かえって分かりにくかったかもしれない。奥にも売っている本の棚(古書含む)があるので見てね、という案内をシンプルにもっと入口近くに貼ろうと思う(従来カウンター前部に貼っていた短い説明文をひとまずフロア案内板に貼った)。
仕事術に関する本、エッセイ、英語の本など約30冊を初発注。
リトルプレスと小さな出版社の本をECサイト上に増やすべく、写真を40冊分ほど撮る。
1月20日 月曜日
天気:くもりのち雨
売上:¥21,006(10件、イベントドリンク含む、うち1件貸し棚更新)
任意の金額で会計:だれのための仕事(在庫減、価格変更済)
読書会開催のため21:30まで営業。19:00以降は4名来店、うち1名の方が本を購入。
読書会は開催時刻直前におひとり申込あり。落ち着いた雰囲気のよい会になっていた。告知期間・選書など再考してより多くの方の参加も目指したい。
映画の収録のロケハンあり。
返品を出した。
1月21日 火曜日
定休日
1月22日 水曜日
定休日
1月23日 木曜日
天気:晴れ
売上:¥17,455(12件、イベントドリンク含む、うちECサイト売上1件)※イベント売上:¥20,900(会場3名、配信9名)
通常営業の来店者数は10名ほど。
常連の親子のお客さま来店。『深い海の伝説をさがして』をご購入いただいた。
今週イベント開催の『マニアック家中華』追加分を編集担当の方に直納いただく。
また別のイベントの書籍の編集担当の方来店、ごあいさついただく。
1月24日 金曜日
天気:くもりのち雨
売上:¥34,674(17件、句会ドリンク代含む)
来店20名ほど、多くの人が本を購入される。
先日リトルプレスの取扱いを相談された方が再度来店、納品いただく。著書を書店に置いてもらうのは初めてとのことで、条件など書店としてあらかじめ教えていただくと助かるポイントなどを説明した。
はじめて来店されたと思しきお年を召したお客さまに、有吉佐和子『青い壺』はあるかと尋ねられた。話題書のようで、こういったものをもっとチェックするようにしたい。
開店当初の頃に様子を見に来られたと仰る近所の方が、選書や店の様子が変わったことを指摘してくださった。『「好き」を言語化する技術』を見てこれが気になっていたとのこと。財布をお持ちでなかったので今度ゆっくりまた来ますとのこと。
1月25日 土曜日
天気:くもり
売上:¥43,387(18件)
来店者数60名ほど。20分30分見ていく方も少なくなかったが、購入率はやや低めの一日。13時頃と15時頃に混んだ際にいらした方たちがほぼ購入せずという形。混むと動きづらい→各棚を見るモチベーション下がる→帰るということか?
出入口に入る手前に、イベント書籍をPeatixのQRコードを貼ったポップとともに並べることにした。
グッズ品切れ:オーロラグラス、パーカー白(XL)、バケットハット L/XL
任意の金額:自分をいかして生きる(在庫減、価格修正済)
1月26日 日曜日
天気:晴れ
売上:¥57,564(40件、イベントドリンク・イベント当日参加1名含む)※イベント売上:¥90,350(会場23名、オンライン5名)
利用終了される棚主の方来店、商品の撤収。やめる理由や感想などお答えいただいた。
もともとサブスクに移行後は半年程度の利用という考えだった。
自分でオンラインやイベント出店などの形から本を販売することをやってみたいと考えている。棚貸しはそのためのリサーチ的な成果はあったと感じている(どういう本が売れる / 売れないなど)。
棚貸しを他の店などで再び始めるつもりは現状ない。
明日以降のイベント本を出入口付近に置いている中から1冊売れる。
貸し棚コーナーの空いている棚に本を置くことにする(他の多くのシェア型書店と同様に)。棚主さんの本がより映えて売れやすくなるような置き方をしたいので考える / またこの用途向きの本を追加発注することも考える。
イベントは大盛況。東山さんのトークもとてもおもしろく、サイン会もお一人お一人ていねいに応対いただき楽しい一夜。麻婆豆腐が食べたくなる。
1月27日 月曜日
天気:晴れ
売上:¥20,289(21件、イベントドリンク含む)※イベント売上:¥72,050(会場11名、配信25名)
青幻舎さんの小さい判型の本で『配色事典』というものがあり、たまになぜか外国人の人にこの本ありますかと聞かれる。今日も聞かれて案内し売れた(ただ、再発注しようとしたらシリーズの『大正・昭和の色彩ノート』は品切重版未定のようだ、、出版社さんに直接確認しよう)。
イベントは著者の方のファンと思しき方々や出版社の方々が多くいらしてアットホームな雰囲気だった。
退勤後麻婆豆腐を食べた。
1月28日 火曜日
定休日
1月29日 水曜日
定休日
1月30日 木曜日
天気:晴れ
売上:¥25,213(19件、イベントドリンク含む)※イベント売上:¥63,550(会場10名、配信24名)
店内を少し外から覗いてから入ってきたお客さまに、「ここは本屋なんですか?」と聞かれた。やはりぱっと見本屋と感じない方が一定数いる!!
トークイベントは質問を多く受け付けるということを事前に告知していたが、数としては普段のイベントの質疑応答と同じくらいになった。逆に言えば一問一問に対する白ふくろう舎さんの答えが手厚く丁寧だった。今回あらかじめ告知していたような、ワークショップとトークの間くらいの形式を仕切ることのイメージを自分が固めきれていなかった部分はあったので、事前シミュレーションやイメージングをもっとすべきと思った。
1月31日 金曜日
天気:晴れ
売上:¥19,297(9件)
常連のお客さまが「何とか週1冊読めています、来週は来れないので2冊買います」ということで『わたしの農継ぎ』『バルセロナで豆腐屋になった』をご購入。
400頁越えのリトルプレスの取扱いお申し出あり。かわいらしい表紙にして、手で持つと重たい新潮クレスト・ブックスみたいな存在感。
『HTML & CSS Webデザイン 現場レベルのコーディング・スキルが身につく実践入門』『ブランディングデザイン コンセプトから展開する「らしさ」のデザイン』という大き目重めの2冊あわせ買いの方がおられた。大きな重い本が売れるとうれしいという謎の感情がある。
お知らせ
【空枠あり】棚貸し会員様募集中!
これから独立して生きていきたいと考えている人や、いつか書店を開いてみたい人、あるいは何らかのスモールビジネスを始めたいと思っている人が、一棚から気軽に始められるシェア型書店サービス(棚貸し)です。
店舗内にある全54棚の貸棚は、1棚あたり約30×30×30cm。
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さらに透明書店では、店内にいるAIのくらげ副店長が代わりに商品をレコメンドする代理接客など、AIと共に経営するテック系シェア型書店としての経営体験も可能です。
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記事では盛り込みきれなかった、書店経営の裏側を不定期Podcastでお届けします。まるでバックヤード(従業員控え室)でくりひろげられるような愉快な内緒ばなしを、ぜひお楽しみください。