個性こそ強さだ。ー 日本と韓国の「間」で育った私が見出した答え
こんにちは!freeeの新設法人向けチームで、マーケティングマネージャーをしているSunです。入社してから4年弱、一貫してマーケティングに携わっており、フリーランス・個人事業主をはじめ、スモールビジネスに特化したチームで活動してきました。
今回のテーマは「DEI(多様性、公平性、包括性)」。
日々ユーザーさんと向き合う中で、感じる点は多くありますが、せっかくなので、普段あまり話す機会のない、私のアイデンティティについてお話ししたいと思います。
Who Am I
私は在日韓国人として、日本で生まれ育ちました。祖父母が済州島(チェジュ)から渡ってきたので、両親も日本育ちです。
実は、日本には、多くの在日韓国人がいます。ただ、マジョリティは日本人として育った方ではないでしょうか。
私の場合は、ちょっと違います。
幼稚園から高校まで、在日コリアンのコミュニティで育ちました。日本生まれ育ちながらも、韓国名のみを持ち、学校では韓国語100%。家に帰ったら家族と日本語を話し、近所の日本人の友達と遊ぶ。お母さんの作るご飯は、日韓ハーフハーフ、お正月には祖母のトックッを食べ、韓国伝統の法事をし、神社に初詣へ。節分には恵方巻きでなく母手作りのキンパを食べる...
思い返せば、物心ついた時から、常に2つの文化の「間」にいる感覚でした。
日本人、韓国人、どちらにも100%なりきれない
小学生のとき、家族で親戚に会いに韓国を訪れた経験が、私にとってのターニングポイントでした。
言葉にできない、なんとなく心通じ合う感覚、懐かしい旧友に会ったような気持ち。ルーツに触れる暖かさを感じる一方、「自分が完全には溶け込めない」というもどかしさに気づきました。
私の場合、在日韓国人ならではのアクセントに加え、関西弁も混じり(笑)、当時は韓国でうまく言葉が通じないこともありました。
日本では「日本人と変わりない」と感じるのに、書面上では「外国人」。韓国では、「韓国人と変わりない」のに、気分は「外国人」。DNAやアイデンティティは韓国なのに、中身は日本人。(性格は韓国寄り笑)
…どちらにも、100%なりきれない自分がいることに、気づいたのです。
世界でも珍しい存在
その感覚を特に強く感じたのが、大学時代のアメリカ交換留学です。
この会話がテンプレでした。初対面の人とは、高確率で起こる会話。
というのも、移民大国のアメリカ。人種やルーツは様々。ただし、ルーツがどこであれ、アメリカで生まれたら必然的に?自然に?アメリカ国籍を保有する「アメリカ人」になるのです。アメリカで生まれた韓国人は「Korean American」のように。
なので、日本で生まれたのに、日本国籍を保有せず、韓国人であり続ける私が、彼らにとっては、素直に不思議なのです。
日本の外にでることで気づいた、新しい感覚でした。世界でも珍しいんだ、と。それ以来、アイデンティティについて考える機会が増えました。
そんな中、現地の友達から、何気なく言われたひとこと。
「羨ましい!2つの文化を味わえるなんて最高だね、特権だよ!」
衝撃でした。特権なんだ。どちらにもなりきれなかった私の視界は、一気に明るくなりました。
多民族国家で育った彼女だから当たり前に出たことばでしたが、私にとっては救われた瞬間でした。
個性こそ、強さだ
「どちらにも属しながら、どちらにも属さない」感覚。
留学をきっかけに、これこそが、私の個性であり、強みでもあることに気づき始めました。「曖昧さ = グレーさ」は決してネガティブではない。この視点だからこそ生み出せる、新しい価値観がある。
日本と韓国に加え、英語も身につけながら、様々な文化的バックグラウンドを持ったことで、型に囚われない考えで物事を見ることができたり、他人を深く理解したりできるようになりました。これは、私の一番の強みです。
この経験は、人の気持ちやニーズを汲み取り、課題解決していくマーケティングの仕事でもとても役立っています。
今となっては、在日韓国人として生まれてよかったな、と感じることが増えました。
個性こそ、強さだ
大事なので、繰り返しました(笑)
freeeで働いていると、ダイバーシティが当たり前に、そこにあります。
国籍に限らず、性別、ジェンダー、年齢、宗教、性的指向、障害の有無など、様々なバックグラウンドを持った方が働いていますが、その違いすら、あまり意識することがないです。
もちろん、管理職の女性率が低かったり、まだまだ課題はあると感じる点もありますが、日頃働いていて、その「違いを意識する瞬間」は、ほぼありません。それは、ダイバーシティが当たり前に企業文化に根付いているからなのかな、と感じます。
私が自分のアイデンティティを強みに変えたように、みなさんが持っている個性も、必ず強みになると思います。
すべての人が、自分の強みを、ありのままに、最大限に活かせる世の中になりますように。