サポート、人とテクノロジー
ごきげんよう!フリー株式会社でパートナーサポートを担当するinokenです。freee Success Advent Calendar 2024 の12月2日を担当します。
この記事でお伝えしたいことは3つです。
人が人にコミュニケーションに求める総量は変わらない
AIが進んでもサポートはのこる、カタチが変わるだけ
僕が目指す次のサポートは「居場所」になる
コンタクトセンターAI利用増える
先日、11月24日(金)にコンタクトセンター&デモカンファレンス2024 in 東京 に行きました。毎年、都合があえば新しい情報を探しに参加しています。
今年は170企業が出展して、その内94企業がAIに関するサービスを紹介していました。10年以上前から増えてはいましたが、特に直近2年はコンタクトセンター市場でのAI浸透の波を強く感じました。
15年ほど前にこんなことがありました。勤務先の上司とデモカンファレンスに参加して満席のセミナーを立ち見していました。当時では新しいiPhone3Gのデモ画面をモニターに映して、検索欄に質問を入力するとAIボットが自動回答するといったサービスでした。
「大変なサービスがでてきたな。コンタクトセンターがなくなる時代がくるかもしれない・・・。」
上司が不安そうな表情で、ぼそっとつぶやきました。当時の僕は理屈がわからずに心の中で『へぇ、そうなんだぁ』と人ごとに捉えていましたが。w
僕が経験した現場での技術進化
最初のコンタクトセンターとの出会いは2004年、OSはWindowsが主流でXP ServicePack2が登場したばかり。(面接で「XPのSP2はインストールされましたか」と聞かれ、何も知らず「はい!」と答えたから覚えています w)
日本はYahoo!Japanポータルサイトの検索が主流で、Google検索の利用率は20%ほど。ですが、僕はGoogleのポテンシャルに心を躍らせていました。コンタクトセンターの営業時間後に有志メンバーと集まり、お互いが調べた検索の仕方を披露したりして学んでいました。それからGoogleがすごいスピードで巨大企業になっていく姿をユーザーとして横目で見ていました。
金融コンタクトセンターで務めたときは、ペーパーレスが世の中に広がり始めていた時代でした。当時はオペレーターが数百枚のプリントを、大きなキングジムのファイル数冊にファイリングしてマニュアルとして使って顧客対応をしていました。
大量に紙を印刷したり、オペレーターが1枚1枚を入れ替えるコストが掛かっていたこともあり、社内ネットワーク上で参照できるように電子ツール化にしました。(はじめてのプロジェクトオーナーで、勝手がわからずとても大変でした w)
ツール内容の改定承認も当時は関係者が判子の押印でしたので、①タイムスタンプ ②承認者の名前が変えられる ③押印後は編集不可 ④コメントを残せる要件で、手探りながら電子承認ツールをつくりました。
少なからず、コンタクトセンターのアナログからデジタルの変化は、いまに始まったことではなく、ずっと前進をしています。
AI浸透と市場の拡大
「コンタクトセンターがなくなるかも」の上司の発言から15年経ちますが、市場は拡大しています。2021年・22年はコロナ禍の自治体需要による特異値ですが、それを除いてもマイナス成長のトレンドにはなっていません。一方で、コンタクトセンター関連のAIソリューション市場規模は大きくなりつづけています。
フリーも2017年にサポートでAIチャットボットをリリースした時は、人工知能を使いユーザーのお問合せを「理解」して用意をした定型文を出す仕組みをつくり、当時は画期的な技術で全体の問合せを23.9%削減しました。
ChatGPTの登場とAIの進化
2022年12月にはChat-GPTが登場しました。GPTのPはPre、TはTrainingを指し「前もって学習」をしてくれるため沢山の知識をストックしています。「考える」ことはできませんが、言語をつないで文章をつくってくれます。
1990年代後半にインターネットの普及により情報が溢れて「検索」が生まれ、「理解」するGPTが現れ、でてきた結果を人が「考える」流れができました。将来では「考える」技術が生まれ、出来事から人の感情をスコア化する日もくると思います。
AI時代における人の役割
「知って、理解して、考える」しかも感情的に。相手の喜ぶことも分かる。こういったことがテクノロジーでできると、僕が20年以上つづけてきたサポートの役割はなくなるのでしょうか?
いまの僕の回答は、当時の上司と感覚が近い気がします。
でも、9割 Yesで、1割がNoです。
情報を入手する手段としてのサポートは少なくなりますが時間は掛かりそうです。なんだかんだ、みんながAIを使いこなすまで10年は掛かりそうですし、教育をAI前提としたカリキュラムにするには充分なリスク検証が必要です。
テクノロジー進化により不足してきたものもあります。人が人とのコミュニケーションで期待する「体験共感」「相談し合う」「(安心を生み出す)沈黙力 / 間」は、もう少し残りつづけると思っています。
人は、人に後押しをしてほしい、と思うものです。
「何を言うか」も大事ですが、「誰が言うか」はもっと大事な要素です。
(将来、その考えも徐々に変わるかもしれませんが・・・。)
チームのミッションと未来への展望
僕が担当する士業向けのサポートチームは、次の3年を掛けて「居場所になる」ことを目指しています。
その一環として2024年4月にあんしん士業電話サポートをつくりました。予約の電話サポートはありましたが、"いま"繋がる電話サポートです。すると、これまでサポートを利用されなかった層の問合せが大きく増えました。今後もAI活用により問合せが削減をしたできた時は、潜在的に困りごとがあって、有人サポートを必要とする顧客向けのソリューションにしっかり投資していきたいと考えています。
テクノロジーは面倒をラクにしてくれます。小さいものから革新的なものまで幅があるものの、人と人とのコミュニケーション総量は減らないと考えています。
僕の目指す「居場所になる」環境には、必ず人や生命が存在しています。テクノロジーをどんなに利用しようとも、アウトプット先には人がいるということです。テクノロジーで捻出できた時間を、より人と密にコミュニケーションを取る時間に当てて、コミュニケーションの総量を変えないことが大事なんだと思っています。
1700年代後半に移動手段が馬から車に変わっても、馬の魅力はのこりつづけるように、どんなにAIが進化しようとも、人が不要になるのではなく、人が提供できるサポート価値のカタチが変わるだけなんだと信じています。
だって、テクノロジーの進化を目の当たりにして「サポートはなくなるかも」と、15年前の上司と今の僕が同じ感覚を抱いているのですから。
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フリーは2012年に創業して12年で十二支のような個性をもった仲間がたくさんが集まりました。先月の四半期決算では初めて黒字化になり、やっと自分たちのチカラで立てるようになりました。次の12年を支えてくれる個性豊かなメンバーを募集しています。
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明日の記事はhotaka sasakiさんです。「ガチでAIやってみた」をお楽しみに!