配膳ロボに「抵抗感がない」人は45%!導入コストや費用対効果は?
配膳ロボに「抵抗感がない」人は45%(※)と、どんどん導入が広がっている飲食店の配膳ロボ。業務効率化やスタッフの負担軽減などの様々なメリットや、導入にあたって検討したいポイントなど、今回は配膳ロボを”ビジネスメガネ”していきましょう。
配膳ロボット導入のメリット
業務の効率化や人手不足の解消、顧客満足度の向上など、配膳ロボット導入で得られるメリットを整理してみましょう。
人手不足解消とスタッフの負担軽減
まず挙げられるのは人手不足対策です。配膳の自動化によって限られたスタッフで接客や調理に集中できるため、料理提供までの待ち時間が少なくなり、お客様の満足度アップにもつながります。スタッフにとっても、忙しさが軽減されることで働きやすい職場環境を作り出すのにも役立ちます。
来店客の回転率アップ
配膳ロボットのスムーズな配膳は、テーブルの回転率を上げることにもつながります。混雑した時間帯にも多くの料理を一度に運べるので、ひと組あたりの提供までの待ち時間を短縮できます。最終的に来店客の滞在時間が従来より短くなることで、混雑時にもスムーズに案内でき、時間あたりの売上アップにもつながります。効率的な配膳は店舗全体の収益向上に大きく貢献すると言えるでしょう。
配膳ロボット導入のコストと選定ポイント
配膳ロボットを導入する際には、導入コストやランニングコストについて考慮しましょう。リースなのか購入なのか選択肢を比較して、店舗の規模や予算に合った選択をすることが大切です。
導入コストの比較と費用対効果
配膳ロボットの導入コストは、購入かリースかで大きく異なります。購入の場合、初期費用が高くなる一方で、長期的なコストは抑えられます。リースの場合は初期費用を抑えつつ柔軟に利用できますが、ランニングコストがかかる点に注意が必要です。配膳ロボットによる効率化がもたらす利益と合わせて、費用対効果を見極めることが大切です。
配膳ロボット導入の目安となる売上規模と人件費削減効果
配膳ロボットの導入効果や費用対効果を考える際の目安の数字は以下になります。
配膳ロボットの初期導入コスト:多くの配膳ロボットの購入価格は約100万円~200万円です。リースの場合は月額5万円~10万円が多く、3年程度の契約が一般的です。
人件費削減効果:アルバイト1人あたりの人件費を月20万円程度とすると、ロボット導入で毎月1人分の人件費(20万円)を削減できれば、リース料5万円〜10万円と比較しても費用対効果が良いといえます。
売上規模の根拠:月間300万円~500万円以上の売上がある店舗であれば、配膳ロボット導入による人件費削減効果がコストを上回る可能性が高いです。この売上規模では、1日あたりの客数やオーダー量も多く、ロボットによる業務効率化の影響が店舗全体の収益に貢献しやすいとされています。
実際の効果は店舗の運営スタイルやロボットの機能によっても異なります。不必要なコストで利益が圧迫されることがないように、詳細な費用対効果をシミュレーションしてみるのが良いでしょう。
配膳ロボット選びのポイント
配膳ロボットを選ぶ際は、店舗のレイアウトや席数、そのロボットが提供できる料理の量などを考慮することが重要です。また、障害物を認識してスムーズに動くロボットや、段差に対応できる機種など、お店にとって運用しやすい機能を備えたロボットを選ぶとトラブルが少なくなります。「このタイプのロボットをうちの店に導入したらどうなるか?」と具体的にイメージして選ぶことが大切です。
多くのメリットがある配膳ロボですが、成功するためには注意点もあります。従業員との連携や顧客への配慮など、ポイントをおさえて配膳ロボットを効果的に活用していきましょう。
配膳ロボットと従業員の連携
配膳ロボットが効果的にパワーを発揮するには、スタッフ側がロボットをうまく運用できる体制が欠かせません。ロボットの動きに合わせたスタッフの補助の入り方などの工夫が必要です。また、トラブル発生時にすばやく対応ができるよう、スタッフが基本的なロボット操作方法を理解できるようにしておきましょう。ロボット単体にまかせるのではなく、スタッフとの連携をしっかり設計しておくことによって、配膳ロボ導入の効果を最大化させることができます。
来店時の顧客満足を損なわない
配膳ロボット導入によって来店時の顧客満足が損なわれないようにするには、運用にもひと工夫することが必要です。たとえば、初めての来店で配膳ロボットに接するお客様も戸惑わずに楽しめるように、店内でロボットが担う役割を簡単に紹介するとよいでしょう。さらに、ロボットの動作に応じてスタッフがスムーズにサポートすることで「ロボットに任せっぱなしのお店だ」という印象を与えることを避けられますし、場合によってはスタッフとロボットの連携によってお客様が興味を引くような接客も提供できるでしょう。
飲食店の未来を変える
配膳ロボットは、飲食店の未来を切り拓く新しい技術のひとつです。DX(デジタルトランスフォーメーション)や他システムとの連携を通じて配膳ロボットがもたらす未来の可能性をのぞいてみましょう。
DX推進とスマートレストランへの展望
配膳ロボの導入は、飲食店のDX推進を後押しして、“スマートレストラン”への道を開いてくれます。配膳の機械化をはじめ、スマホからの注文やキャッシュレス決済などと組み合わせることで、店舗運営全体の効率がさらに上がっていくほか、AIによるメニュー提案や接客まで担当するロボットへとデジタル技術の導入が進んでいけば、運営の効率化だけでなく顧客満足度も上がっていき、飲食店の将来的な成長につながるでしょう。
他システムとの連携で広がる可能性
POSシステムやオーダーシステムと連携させることで、さらに業務効率を向上させることが可能です。たとえば、注文と連動してロボットが自動で動き出すシステムを導入すれば、スタッフの負担が軽減され、提供スピードのさらなる向上も実現できます。こういった複数のシステム連携が新しい形の店舗運営を支えるカギとなり、顧客満足度を上げていくことができます。
まとめ
いまや飲食店にとって、店舗運営の効率化や顧客満足度の向上に大きく貢献する配膳ロボットの導入は特別なことではなくなってきています。人手不足の解消、業務効率化だけでなく、負担軽減によって今いるスタッフの働きやすさや来店するお客様満足度のアップにも期待できます。これからの飲食店経営に欠かせない配膳ロボットで、店舗運営の新しいステージへ踏み出してみませんか?
(※):2023年 株式会社DFA Robotics「配膳ロボットに関する消費者の意識調査」よりhttps://dfarobotics.com/topics/ql_y-1c37/