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フードロス対策とSDGsのビジネスな関係

飲食店の重要テーマである「フードロス削減」。多くのお店で取り組まれており、外食産業による食品廃棄は毎年減少していますが、依然として全体の約5分の1はフードロスになっています。今回は、フードロス削減が飲食店経営に与える影響を“ビジネスメガネ”でのぞいてみましょう!



飲食店のフードロス削減ーコスト以外のメリット

全社を挙げたフードロス削減は、経営効率のアップやビジネスの持続可能性につながります。これからの時代にますます求められるエコ経営とSDGs(持続可能な開発目標)への対応として、飲食店にとって大きな価値になるでしょう。

経営の安定化

ご存知の通り、フードロス対策はまず第一にコスト削減になります。仕入れコストに無駄を出さないのはもちろん、メニューを工夫して在庫管理することで食材の運用効率があがります。適正量を発注していてもメニューの提供量によって左右される在庫については、季節メニューの導入などで「食材を使い切る」仕組みを作っているお店も多いでしょう。こうした取り組みは単日のロスを減らすだけでなく、廃棄コストを減らして利益を増やせるので、長期的な経営の安定にも大きく貢献します。

SDGsへの貢献で飲食店の価値を高める

あらゆる業界で「SDGs」という言葉を耳にする機会が増えています。より良い地球環境を目指して世界共通で作られている行動目標ですが、昨今はきちんとSDGsに向き合っていく企業姿勢が社会的な価値を高めてくれる時代になっています。そんな中で飲食業のフードロス対策は、「2.飢餓をゼロに」「12.つくる責任、つかう責任」といった目標と直結しています。取り組むことでお客様からのイメージアップになってお店のブランド価値を上げてくれるほか、SDGsに配慮した経営姿勢は経営的な指標としても価値が認められていることから、資金調達の際に有利に働くケースもあるようです。

フードロス対策は「2.飢餓をゼロに」「12.つくる責任、つかう責任」に直結

フードロス削減策の進化

ここからは改めて、食材管理やメニュー構成についてみていきましょう!日頃の取り組みに対して新しいヒントが見つかるかもしれません。

在庫管理と発注の進化

はじめに、在庫管理の徹底化を見直してみましょう。まず、発注時には過剰発注をしないことを念頭におきます。また、定期的に在庫量をチェックする食材を決めておき、頻繁に使用する食材は在庫量を確認するタイミングを決め、定期的にチェックできる体制を作りましょう。在庫管理システムを導入するのも解決策のひとつです。システム化することで発注量を適切に調整できるだけでなく、在庫切れのリスクも減らせます。無駄を出さずに食材を効率よく使える「仕組み作り」がフードロス削減の第一歩です。

ロスを出さないメニューの進化

売れ残りを減らすメニュー構成の工夫も大切なフードロス対策。例えば、季節や流行に応じた新作メニューは売上アップ施策でもありますが、ロスを出さないという観点でメニューの入れ替えをしてみるのも良いでしょう。また、料理のボリュームを選べるようにしておく(Sサイズ、Mサイズ、Lサイズなど)といった工夫も、メニューのバリエーションを増やしながら食べ残しによる廃棄を減らすことにつながります。お客様に常に新鮮でバラエティに富んだメニューを提供できるだけでなく、フードロスの削減にもつながっているのです。

賞味期限管理の進化

各食材の賞味期限の管理もフードロス削減には欠かせません。仕入れた食材の賞味期限を把握して、先入れ先出し(古いものから順番に使う)のルールを徹底することで廃棄を防ぐのは基本ですが、例えば、レイアウトを工夫する、置き方や入れ方を変える、表示を分かりやすくして全員がルールを簡単に確認できるようにするなど、ちょっとしたことで管理の効率をグッと上げることできます。また、冷蔵庫内の在庫確認のタイミングをルール化して、賞味期限が近い食材は日替わりメニューとして提供するなどの管理を行うことで、食材を無駄にせずに使い切ることが可能になります。

フードロス削減にはスタッフの意識向上や目標管理も重要です。全員が一丸となって取り組める環境を作り、継続的に成果を上げていきましょう。

フードロス対策=少しずつ×スタッフ全員

ひとりでできるフードロス対策には限界があります。全員がフードロス削減に前向きな意識を持って仕事に向かうことが成功のカギになるでしょう。まずは、なぜフードロス対策が必要なのか、スタッフ全員で目線合わせをしましょう。目的を共有できてから食材の使い方や廃棄を減らす在庫管理の工夫を学ぶことで、日々の担当業務の中で自然と無駄を減らす意識が育ちます。また、定期的に勉強会やミーティングを開いたり、視界に入るところにSDGsのステッカーを貼っておいたりすることで、フードロス削減意識をキープし続けることができるでしょう。少しずつの工夫でも、スタッフ全員が一丸となって行動することが結果的に大きなフードロス対策につながるのです。

進み具合の見える化でモチベーションアップ

会社や店舗全体でフードロス削減に取り組んで成果を上げていくためには、わかりやすい目標を設定して定期的に状況を確認することも重要です。期間や数値目標を具体的に設定すると達成度が見えやすくなり、スタッフのモチベーションアップにつながります。また、定期的に進み具合を確認して、状況に合った改善策を見つけることができます。フードロス対策にとって大切なのは無理なく継続できることなので、大きすぎる目標ではなく、計画的に行うことで無理なく達成できそうなゴールを設定して、少しずつでも着実にフードロスを減らしていきましょう。


まとめ

これからの未来に向けてすでに欠かせないものになっているフードロス対策。経営の効率を高めるだけでなく、環境に配慮したエコ経営としてお客様や地域から社会的に支持にもつながっていきます。経営的なインパクトになるのはもちろんのこと、お客様や地域、そして地球のための行動として、飲食業界が一丸となってフードロス対策を進めていきたいですね!

次回はすっかり導入が増えた「配膳ロボット」をビジネスメガネしていきます。お楽しみに!